IT企業でのメンタルヘルス対策(うつ病などの精神疾患)の実情

ウツTOPページ.JPGシステム開発などに従事するエンジニアの中には、「長時間労働からくる疲労」「納期の逼迫」などから夜なかなか寝付けず睡眠障害に陥り、やがてうつ病などの精神疾患に罹患するケースが増えています

会社は、事前の兆候を察することができない、また、大手企業のようにメンタルヘルスに関し費用を投じてメンタルヘルスに詳しい専門家を配置することができないなど、事前予防がうまくできないことから社員がうつ病などに罹患した後に対応を迫られることがほとんどです。 一方で、エンジニアを雇用する企業の多くは、メンタルヘルスの重要性は認識しています。ただ、実際にうつ病などの社員がでた場合には、何から対応をしていいかわからないのが実情です。企業規模や罹患した社員によりますが、重要な局面でどう対応するかについての会社にとって非常に重要です。

 

以下は、精神疾患の社員がでた場合に経営者の方からご相談いいただいた内容の一例です。(当事務所にご相談があった実例より抜粋)

「精神疾患になったのは、会社の責任なのか?」

「休養している間の給与はそうすればいいのか?」

「就業規則がないが、どう対応すればいいのか?」

「就業規則にある“休職”とはどういう制度か?」

「就業規則の休職満了とともに“解雇”なのか、それとも“退職”なのか?」

「いつまでにどういう内容(今後の処遇等)を社員に伝えないといけないのか?」

 

このように、いざうつ病などの精神疾患の社員が出た場合は、意外なまでに“入り口の部分で悩み”、そして対応策がわからないことが多いようです。

では、対応策を考えるまでにまずは精神疾患の種類についてみていきましょう。

働かせすぎ!?<判断の目安>

働かせすぎかどうかの目安についてよくご質問をお受けいたします。

その目安の1つとして、メンタルヘルスに関する法令や通達があります。メンタルヘルスを考えるにあたり非常に重要な内容でもありますのでぜひ一度ご確認ください。

平成17年11月2日に義務化された「安全衛生法等の一部を改正する法律」にある「医師による面接指導実施」は非常に重要事項です。時間外労働時間数”と“健康障害の関係”を表した内容でもあるため、企業としてはぜひ押さえてください。 長時間労働が続くと、疲労がたまり社員の健康を損なう可能性があります。「医師の面接指導」は社員の健康障害防止を目的として企業に一定の努力義務と義務を課しています。具体的には以下の3つに分けられます。

 <1>面接指導の実施義務(会社には実施義務がある)

・時間外・休日労働が月あたり100時間を超えている

・疲労の蓄積が認められていること
・本人が申し出ていること
  
<2>面接指導または面接指導に準じる措置
・時間外・休日労働が月80時間を超えている
・疲労の蓄積が認められ、または労働者自身が健康に不安を感じた者から面接指導の申し出がある
* 会社には必要な措置を講じる努力義務がある。
 <3>「事業所で定める基準」

 「事業所で定める基準」の策定厚生労働省の通達では、「事業所の定める基準」について以下のような事項を推奨しています。


■時間外労働が月40時間を超え、健康への配慮が必要な社員については、面接指導または面接指導に準じる措置の対象とすること


■時間外労働が月100時間を超え、または2〜3ヶ月の平均が月80時間を超える場合には、上記<1><2>にかかわらず、すべて医師による面接指導の対象とすること。 会社には、定めた基準に該当する社員がいる場合には、必要な措置を実施するか、必要に応じて事後措置を行うように努める。

 働かせすぎかどうかの目安としては、まずは時間外・休日労働が月に100時間超えているかを見ます。(時間管理をしっかり行っていることが大切です。)100時間を超えている場合には、健康障害を起こしやすいので「時間外・休日労働100時間超」は働かせすぎの大きな目安と言えます。次に100時間を超えていない場合には、時間外・休日労働が80時間を超えているかどうかを見ます。厚生労働省通達「過重労働による健康障害を防止するための総合対策について」平成18年3月17日付け基発第037008号)に「80時間」という数字が載っており、企業として意識すべき数字だと思われます。

⇒厚生労働省「職場におけるメンタルヘルス対策」に関する資料のダンロードはこちらから